株式投資の世界では「トレンドに逆らうな」という言葉がよく語られます。しかし実際の取引では、頭では分かっていても心が拒む瞬間があります。特に初心者だった頃の私は、上昇トレンドを信じたい気持ちが強すぎて、トレンドが明らかに崩れているのに“まだ上がるはずだ”と自分に都合の良いラインを何度も引き直してしまいました。その結果、判断を大きく誤り、損失を広げるという痛い経験をしました。
この記事では、私自身の間違いをもとに「トレンドが転換したのにラインを修正し続けてしまう」失敗について掘り下げ、何を学んだのか、そして同じ過ちを防ぐための具体策をお伝えします。
目次
トレンド転換を認められず“幻想のライン”を引き直した失敗談
私が大きく損をしたのは、ある中型株の上昇トレンドに乗っていたときでした。綺麗な右肩上がりのチャートで、押し目買いを繰り返すだけで利益が伸びていく「初心者ボーナスタイム」のような期間が続いていました。
しかし、ある日を境に株価が明らかに勢いを失い、上昇トレンドのサポートラインを割り込みました。本来なら「トレンドが変わったかもしれない」と疑うべき場面です。
ところが、そのときの私は利益への欲と“もっと上がるはずだ”という期待に支配されていました。
ラインを割った瞬間、私はこんなことを考えました。
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「いや、これは一時的な下振れだ」
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「少しラインを下に引き直したほうが正しいはずだ」
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「まだ上昇トレンドは続いている…はず」
そう、自分にとって都合の良い、いわば“希望的観測ライン”を描き続けてしまったのです。
結果として、チャートには何本ものサポートラインが重なり、客観性を完全に失った状態になっていました。
その後、株価はズルズルと下落を続け、気づけば含み益は解け、損切りも遅れて大きなマイナスを抱えることになりました。
冷静に見れば、最初のサポートラインを割った時点でトレンドは明らかに転換していたのです。
失敗から学んだ“ラインは願望で引いてはいけない”という真実
この経験を通して痛感したのは、次の3つです。
■1. ラインは「願望」ではなく「事実」をもとに引くべき
初心者ほど、ラインを自分の希望に合わせてしまいがちです。しかしラインは「事実のつながり」であり、「自分の期待」を反映させてはいけません。
■2. トレンド転換は早い段階で気づけば傷は浅い
最初に崩れたサインを無視したことで、損失は何倍にも膨らみました。
「小さな違和感を無視しない」ことの重要性を痛感しました。
■3. 感情は判断を必ず狂わせる
利益を失いたくない気持ち、もっと儲けたい気持ち、信じたい気持ち。
これらがトレンド分析の精度を大きく下げる原因になります。
同じ間違いを繰り返さないための実践的な対策
私が実際に取り入れ、効果を感じている方法を紹介します。
■1. ラインは“固定ルール”で引く
例:
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直近2点の安値(または高値)を必ず基準にする
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ラインは一度引いたら破られるまで動かさない
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どうしても修正が必要な場合、理由を文章で説明できるときだけ修正する
ルール化することで感情によるブレを減らせます。
■2. トレンドに対して“チェックリスト”を作る
「上昇トレンドの定義」「転換サイン」を事前に決めておくことで、判断の曖昧さが消えます。
例:
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高値・安値が切り下がったらトレンド疑い
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サポート割れ ⇒ 1回目警戒、2回目で撤退
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出来高の変化を合わせてチェック
ルールに従うだけで、迷いがなくなります。
■3. アラートと逆指値を必ず設定する
感情でラインを引き直さない最大の防止策です。
「自分の判断がブレる前に機械的に逃げる」ことができます。
■4. トレード後にチャートを必ず振り返る
後から見ると、たいてい“最初のライン割れが答え”です。
分析を振り返ることで判断力が磨かれ、再発防止につながります。
まとめ:トレンドはあなたの願望とは無関係に動く
トレンド転換を認められず、ラインを修正し続けたことで私は大きな損失を経験しました。
しかしその失敗のおかげで、私は「ラインは感情ではなく事実に基づいて引く」「トレンド転換は早期に受け入れる」という大切な教訓を得ました。
株式市場は私たちの希望に合わせては動きません。
だからこそ、チャートの事実を素直に受け止め、冷静に撤退する勇気が必要です。
同じ失敗を繰り返さないためにも、
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ラインをルール化して引く
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トレンドのチェックリストを作る
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機械的な損切り設定を入れる
この3つを実践すれば、判断のブレは確実に減ります。
あなたが同じ過ちに悩まず、より安定した投資判断ができるようになることを願っています。

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