株式投資を始めてしばらくの間、私はずっと「冷静になれ」と自分に言い聞かせていました。しかし、実際の売買の瞬間になると、頭で分かっていても心がついてこない。焦り、欲望、恐怖――この3つの感情は、ときにチャートより強力で、理屈より暴力的です。今回は、そんな感情に支配されて痛手を負った私の体験談と、そこから学んだことを共有したいと思います。
目次
焦りが引き起こした“高値つかみ”の大失敗
投資を始めて数ヶ月が過ぎたころ、私はある人気銘柄が急騰していることに気づきました。SNSでも「まだ上がる」「買わないと乗り遅れる」という声があふれ、気づけば私も焦って買い注文を入れていました。
しかし、現実は甘くありませんでした。私が買った直後から株価は急落。慌ててチャートを確認しても、理由を調べても、状況は好転しません。今思えば、あのとき私は「上がり続ける」という思い込みだけで買っており、企業の業績や決算内容など、本来見るべきものは何一つ見ていませんでした。
焦りに支配された“高値つかみ”。これが私の初めての大きな損失でした。
欲望が引き起こした“無謀な買い増し”
一度利益が出たことで、私は「もっと儲けたい」という欲望が膨らんでいきました。チャートの動きが少し良くなると、冷静に分析するどころか、「ここで買い増しすれば利益が倍になる」という短絡的な思考に傾くようになりました。
ある銘柄では、含み益が出ていたにも関わらず、「もっといけるはずだ」と根拠のない自信で追加投資をしました。しかし、結果は反対方向へ下落。結局、元の利益どころか、追加した分が大きな損失につながりました。
「利益を伸ばす」と「欲に走る」は似ているようで全く違う。あのときの私はその違いを理解していませんでした。
恐怖からの“パニック売り”で自ら損失を確定
感情に支配された最後の決定打は、“恐怖”によるパニック売りでした。ニュースで市場全体が荒れていることを知り、保有銘柄が大幅下落。頭の中は「もっと落ちるかも」「早く逃げないと」という恐怖でいっぱいになりました。
その結果、冷静な分析もできないまま「もうダメだ」とすべて売却。しかし後日、株価は見事に反発し、さらに上昇していきました。私が売ったのは、まさに“底”に近いタイミングでした。
恐怖のまま行動した代償はあまりにも大きく、精神的なダメージも含めて深く反省しました。
この失敗から学んだこと:結局、感情こそ最大のリスク
これらの経験を通じて痛感したのは「株価ではなく“感情”こそが最大の敵だ」ということです。焦りは分析を曇らせ、欲望はリスクを忘れさせ、恐怖は適切な判断を奪います。
株式投資で成功している人を見ると、決して“勝率が高い人”ではありません。“感情をコントロールできる人”です。
同じ間違いを繰り返さないために私が実践していること
私はこの失敗を二度と繰り返さないために、次の3つを日常的に取り入れるようにしています。
● 1. 売買ルールを事前に作り、感情で変えない
「この条件を満たしたら買う/売る」とルール化し、感情に流されて判断を変えないようにしています。
● 2. 毎回の売買を“投資日記”に書く
なぜ買ったのか、なぜ売ったのかを記録することで、自分の判断が感情に寄っていなかったか振り返ることができます。
● 3. 投資資金を分散し、心の余裕をつくる
投資額が大きすぎると、どうしても恐怖や焦りが出やすくなります。適切な資金管理は感情の安定に直結します。
まとめ:感情のコントロールができて初めて“投資”ができる
株式投資は数字と情報の世界のように見えて、その実態は“感情との戦い”です。焦り・欲望・恐怖――この3つを自覚し、適切にコントロールすることができれば、投資は長期的に大きな味方になってくれます。
私自身、感情に支配された判断で痛い思いをしましたが、その経験があったからこそ「感情を排除する仕組みづくり」の大切さを知りました。もし同じような悩みを抱えている方がいたら、ぜひ今回の話を参考にして、冷静な投資判断への一歩を踏み出していただければと思います。

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