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決算書やIRを読まず“雰囲気投資”して大失敗した体験談
株式投資を始めたばかりの頃、私は「なんとなく雰囲気で投資する」という、初心者にありがちな致命的なミスをしていました。企業の決算書やIR資料は難しそうで敬遠しがち。チャートの形やSNSの評判、なんとなくの“印象”だけで銘柄を選んだ結果、私は見事に痛い目を見ることになりました。
当時の私は、ある新興企業の株が急上昇しているのを見て、「きっと勢いがある企業なんだろう」という非常に浅い理由から飛び乗りました。実はこの時、企業の決算が近づいており、少し調べれば「業績予想の下方修正が出る可能性が高い」という情報は簡単に見つかったのです。しかし私は“調べる”という行為を面倒くさがり、雰囲気だけで投資。
案の定、決算発表で業績は市場予想を大きく下回り、翌日はストップ安。私は一夜にして大きな含み損を抱えることになりました。チャートの勢いだけで飛びついた自分の浅はかさが、本当に恥ずかしくなった瞬間です。
この経験を通して、「企業の中身を知らずにお金を預けるのは、知らない人に財布を渡すようなもの」だと痛感しました。
決算書を読まなかったことで失った“チャンス”にも気づいた
さらにこの失敗を分析してみると、単に損しただけでなく、“大きなチャンスを逃していた”ことにも気づきました。
実は、当時の相場では割安で堅実に成長している企業がいくつもありました。決算書を読む習慣さえできていれば、そうした優良銘柄を比較し、長期投資に向く企業を見つけることもできたはずです。
しかし私は、企業の数字を見ずに雰囲気だけで売買していたため、“本当に投資すべき銘柄”を見つける力が育っていませんでした。
結果として、損を防げなかっただけでなく、利益を得るチャンスも逃していたのです。
雰囲気投資から学んだ3つの重要な教訓
1. 投資は「数字を読む力」がすべての基礎になる
株価は短期的にどれだけ上がっていても、長期的には企業の業績に収束します。
その業績を最も正確に示してくれるのが、決算書やIR資料です。
特に初心者が最低限見ておくべきなのは以下の3点。
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売上高(伸びているか)
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営業利益(本業で稼げているか)
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自己資本比率(財務が健全か)
これらを見るだけでも“投資すべき企業かどうか”はかなり判断できます。
2. SNSやニュースは「補助情報」であって判断基準ではない
SNSは確かに便利ですが、ポジショントークや誤情報も多く、判断基準にはできません。
あくまで企業の公式情報である決算書やIRを軸に判断することが大切です。
3. 決算前に飛びつくのはギャンブルに近い
決算前後の値動きは予測が非常に難しく、初心者が雰囲気で挑むのは危険です。
決算の中身を把握せずに買うのは、目隠しで車を運転するようなものです。
同じ間違いを繰り返さないために私が実践していること
(1)IRバンク・会社四季報・決算資料の“最低3つ”は確認する
難しく読む必要はありません。
ポイントだけをざっと確認するだけで、雰囲気投資は防げます。
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売上は伸びているか
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利益は安定しているか
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借金は多すぎないか
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今後の方針(中期経営計画)はどうなっているか
たったこれだけで投資の精度が劇的に上がります。
(2)気になる銘柄は1冊のメモにまとめる
企業の特徴・数字・気づいたことをメモするだけで、理解が深まり投資判断が安定します。
(3)“買う理由”を明文化する
雰囲気で投資する人は、買う理由を言語化できていません。
そこで私は「なぜこの企業に投資するのか」を3行で書き出すようにしました。
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業績が安定している
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成長余地がある
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財務に問題がない
理由を明確にすることで、余計な衝動買いを防げます。
まとめ|雰囲気だけの投資は「勝てない理由」を自分で作ってしまう
私が雰囲気投資で失敗した経験は、今思えば当然の結果でした。
企業の数字もビジネスモデルも理解せず、SNSの評判やチャートの勢いだけで判断していたのですから。
しかし逆に言えば、
決算書とIRを読む習慣をつけるだけで大半の失敗は避けられる
ということでもあります。
投資はギャンブルではなく、情報戦です。
企業の中身を理解し、“自分の判断で投資した”と言い切れるようになれば、投資の質は間違いなく向上します。
雰囲気で投資していた頃の私のように、同じ失敗をしてほしくありません。
この記事が、あなたが「数字で判断できる投資家」になるきっかけになれば嬉しいです。

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